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体が浮くようなめまい?脳が誤った情報を受け取っています

2025-04-13

「歩くたびに床がずぶずぶと沈む感じがするんです」

「体がふわふわと浮いているようで、バランスが取れません」

「まるでお酒に酔ったようにふらついて、壁を掴んで歩かなければなりません」

めまい患者さんがよく訴える症状です。MRI、CTの検査では「異常なし」と診断されても、日常生活は依然として不安定な平衡感覚によって崩れていきます。一人での外出が怖くなり、人混みを避けるようになり、毎日繰り返されるめまいのために生活の活力を失っていきます。

浮くようなめまい、本当に原因がないのでしょうか?

2025年3月に国際神経学学術誌Frontiers in Neurologyに発表された研究が、このようなめまいの隠れた原因を提示しました(「Dizziness and neck pain」, De Hertogh, W., et al.)。

頸部痛と浮くようなめまい

後頭部、後頭下部、肩まで常に不快だったものの、これがめまいと関係があるとまでは考えが及ばない場合が多いです。

「最初は首が少し硬いと思っていました。ところが数か月後から歩くたびに片側に傾く感じが始まったんです。めまい止めを飲んでも、首が不快だと症状がまた悪化しました」

このような経験を軽く見過ごさず、首とめまいの間の結びつきを認識し理解することが重要です。

この研究によれば、めまい患者の最大57%まで頸部痛が共に現れるということです。統計的数値だけでなく、首の問題がめまいを直接誘発しうるという科学的根拠も提示しました。

脳の感覚ミスマッチはめまいが続く理由

私たちの体の平衡は三つのシステムが完璧に調和を成すときに維持されます。

  • 視覚系:目で見る空間情報
  • 前庭系:耳の中の平衡器官の動き感知
  • 固有感覚系:首と筋肉の位置感覚

首には体の位置と動きを感知する固有受容器が他の部位より2~3倍多く集中しています。まるでGPSの精密センサーのように、頭部の微細な位置変化まで感知する役割を果たします。

このセンサーたちが誤った位置情報を脳に継続的に伝達すると、目は「止まっている」と信号を送っているのに、首だけが「動いている」という的外れなメッセージを送ることになります。脳で統合ができない状況が続くことが、この問題の本質です。

  • 浮動感 または ふわふわした感じ
  • 体が傾いたりよろめいたりする感覚
  • 歩行時に足が地面にしっかり着いていないような不安定感
  • 頭を回すとめまいがして重心が揺らぐ経験
  • 持続的な頸部痛や硬直感

論文ではこの現象を「感覚ミスマッチ(Sensory Mismatch)」と表現しています。

時間が経つと、脳がその誤った信号に慣れる方向に適応するようになります。研究チームはこれを「中枢神経系の不適応(Central Maladaptation)」と説明しています。

脳がめまいのある状態を正常なものと見なすようになるということです。

感覚ミスマッチの回復は浮くようなめまい治療の鍵

浮くようなめまいを解決するための核心は、まさに脳が受け取る誤った感覚情報を正すことです。

このようなミスマッチを正すためには、首の筋肉の緊張と硬直を解消し、正しい首の動きを回復させる治療が重要です。固有受容器の機能を正常化させれば、脳はもはや誤った情報を受け取らなくなります。脳の「中枢神経系の不適応」状態を元に戻し、めまいのない状態を正常と再認識させる過程です。

浮くようなめまいを経験しているなら、首とめまいの結びつきを理解し、根本的な原因を解決しようとする努力が必要です。

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